石動山
 
 

 5月の連休。遠出をと思ったが当番医のためそれもできず。
かといって折角の好天を無為に過ごすのも些か癪だったので、
女房殿と鹿島町は石動山(せきどうさん・いするぎやま)を訪れてみた。

 地図を頼りに二宮から道を右に折れて林道を7キロほど行くと最初の案内板。
整備が行き届いて、いかにも洒落たデザインだ。
指示に従ってさらに進むと石動山集落がある。
コンクリートの小作りな建物の前ではバーベキューの真っ最中。
老若男女合わせて楽しげだが、小人数なのは集落合わせて11戸(1980)の所為か。

 2階建ては石動山資料館。平成4年に県有林管理事務所を改造したものだという。
訪ないを請うが、管理人はバーベキューのためか不在。
パンフレットだけ頂き、靴を履き替えて山に向かう。

 石段を登ると講堂跡。錫杖を振ると大願成就とあるのでまずは家庭円満、
老父の健康祈願。左に進み木漏れ日を楽しみながらパンフレットに目を走らせると

 ………古来この山には地滑りが多く、ために神の居ますところと崇敬され、「いしゆるぎ」とも「ゆするぎ」ともいわれる山名の由来となったらしい。石動山に石動彦神(いするぎひこのかみ)が祀られ伊須流岐比古神社が建立されたのは1千年以上前。開山は崇神6年方道仙人とも養老元年泰澄大師ともいわれるが、古代から中世にかけては僧房360余、僧3000人を数えたとされる。義経記や太平記にも石動山法師の記載が散見されるというから話半分としても相当の数だ。南北朝には南朝方につき北朝方に、天正年間には上杉謙信に合力して前田利家に全山焼き討ちされた。江戸時代に復興したが明治初年の廃仏毀釈で衰退し現在に至っている………

 ヤマルリソウやイカリソウを楽しみながら少し汗をかくと大御前(565m)。
本殿に尻を向けて弁当を突ついていると、
一人歩きのおじさんがタオルを首にかけて登って来たりして微笑ましい。

 五社権現にお参りしながら再び資料館へ。受付に声を掛けるがやはり不在。
入館料 個人 大人200円となっていたが、未払いのままなので何れ再訪すべきだろうか?と一寸思ったりしている。

平成11年5月15日 石川保険医新聞

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