平成16年度 耳鼻科検診実施報告書

平成16年8月12日

舳倉診療所 西川 晋吾

 

平成16年度舳倉島総合診療は、石川県、輪島市の共催のもと、7月31日()、8月1()に予定されていたが、台風接近に伴う荒天の為、残念ながら中止となった。

その中で、耳鼻咽喉科小森貴医師の御厚意により、耳鼻咽喉科のみ単科で検診を実施することとなった。

 

1日程

平成16年7月31日()  午後1時〜午後5時

平成16年8月 1日()  午前9時〜午前12

 

2診療科目、場所

石川県輪島市海士町舳倉島高見1 舳倉島開発総合センター1階

玄関ロビー   :受付

コンピューター室:耳鼻咽喉科診察室

保育室     :聴力検査室

 

3診察科目

耳鼻咽喉科

 

4診療従事者

耳鼻咽喉科 小森 貴  医師(小森耳鼻咽喉科医院)

雑務    西川 晋吾   (舳倉診療所)

 

5受診状況

 

受診者数

7月31日

21

8月1日

 

 

受診者数    年齢平均 65.1歳  

標準偏差 13.7 

 

本年度は、7月前半は天候が悪く、サザエ・アワビ漁の稼働日は半分程度であった。

また、梅雨明けした後は、酷暑と評されるほどの猛暑が続き、高齢化が進む島の人々の消耗も懸念される年であった。

そのような中、島民の総合健診に対する期待も大きかったが、迷走する台風10号の影響で、あいにくの荒天となり、残念ながら総合検診中止という結果となった。

ただ、耳鼻咽喉科小森貴医師のご厚意により、耳鼻科検診を開催できたのは、海女が数多い島に勤める医師としては、誠に有難いことであった。

本年度も、7月31()が沖休みであったため、初日に受診者が集中した。8月1日()は漁があった為、受診者はいなかった。

受診者は、男性:女性=6:15で、特に海女の耳鼻科診察に対する意識の高さが覗えた。

受診者の平均年齢は65.1歳で、高齢者の、検診に対する期待の大きさが現れていた。

 

6診療内容

小森耳鼻咽喉科医院、小森貴医師に診察して頂いた。

同先生は、20年以上続く総合健診の診療団代表であり、島民からの信頼は非常に厚い。

診察中は、島の方と楽しい会話を通して、安心感を与えている印象があった。

終了後、小森医師とお話させて頂く機会があり、私としても先生の深い人格に感銘を受け、非常に有意義な経験をさせて頂いた。

本年度も、例年通り喉頭ファイバー、副鼻腔X線検査、オージオメトリーを用いた検査を行った。検査件数及び有所見件数は下表の通りであった。

 

 

 

 

検査

件数

所見

件数

処置(()内は件数)

喉頭ファイバー

13(62%)

外耳炎

2

診療所より処方(2)

オージオメーター

3(14%)

難聴

2

補聴器装着指導(2)

副鼻腔X線

0

耳菅狭窄

1

経過観察

 

 

外耳道真菌症

1

診療所より処方

 

 

慢性中耳炎

1

紹介

 

 

鼻ポリープ

1

未治療

 

 

副鼻腔扁桃炎

1

診療所より処方

 

診療所医師に適切な指示及び治療計画を指導して頂き、まだ2ヶ月間続く漁解禁期間中の診療に役立つことと思われた。

また、小森医師の診察後の評価で印象に残ったものとして、シリコン製の耳栓を使用する様になって、新たに外骨腫になる人はいなくなったとのことで、島民に早期に耳栓装着を勧めることの大切さを感じた。

 

診察風景

診療風景

 

 

 

7謝辞

本年度、耳鼻科診療に当たりご尽力頂いた小森貴医師、及び総合健診に際し、お忙しい中調整頂いた県庁、輪島市庁関係者方々、医師、看護師、保健師、及び関係者各位には島民ともどもこの場を借りて御礼申し上げます。

今後とも、舳倉島民の為、御支援の程何卒宜しくお願い申し上げます。

                                 第49代診療所勤務 西川晋吾